どこゆきカウントダウンー2020ー

2020年7月24日、東京オリンピック開会のファンファーレが鳴りわたるとき…には、《3.11》震災大津波からの復興を讃える高らかな大合唱が付いていてほしい。

昆布の「一番出汁」と「二番出汁」

-No.0101-
★2013年12月31日(火曜日)
★《3.11》フクシマから → 1027日
★オリンピック東京まで → 2397日




 このごろは、齢にあわせる気はないのだけれども、しぜん若い頃ほど手間をかけられなくなってきた。ずるくなったのかとも想う。

 それでも年の暮れになると、しっかりと出汁をとる。
 ふだん怠けていたのを(とりかえす)つもりはないが、なにかと便利にかまけて日々すごしてきた一年に区切りを、節度をつけるのはいいことだと思うから。

 きっと、家庭でとる出汁としては半端な量ではないだろう。
 大鍋にたっぷり2杯、気もちをこめる。

 準備は28日朝から。
 たっぷりと水を張った大鍋の、1つには昆布。もう1つには頭と腹を取り除いた煮干し、これは苦みや臭みがでるのをふせぐためだ。
 どちらも、いってみれば「水出し」で、このまま2日間、静かに寝かせて置く。
 夏場の高温下では、こうはいかない。

 30日朝、ふたをとると昆布出汁の大鍋からはグルタミンの風がそよ吹く。
 ぼくは、このグルタミンの風に吹かれるが好きで、わざわざ初夏の北海道へ、昆布漁の浜へとでかけたものだった。

 朝早く、好漁場の場所とりを競って波を蹴立てて行った船が、昼前には、沈みそうなほどに昆布を満載して戻ってくる。浜では女たちが待ち構え、干し場に運んで広げていく。
 そのときに、浜の干し場に吹き渡るのがグルタミンの風。

 昆布の極上「一番出汁」は、正月祝いの雑煮用。3が日の人数分を別の鍋に移し、煮立てないように火を通しておく。
 減った分の水を補充した鍋は弱火にかけ、時間をかけてじっくり昆布のもつ味わいをとことんひきだす。この「二番出汁」は、湯気がたちはじめたら昆布を引き揚げるのがコツ。欲張って昆布からヌメリがでるまで、行きすぎると嫌味に、台無しになる。

 もう1つの大鍋からは煮干しを引き揚げ、濾してから中火にかける。
 湯が揺れ上がってきたら、鰹の削り節を大きくひとつかみ入れ、煮立ったところで火をとめる。
 いったん煮上がった鰹節が沈んだらサッと引き揚げて、濾す。
 こうして、持ち味のうち余分な臭みがでるのを防ぐ。
 この間は、鍋の傍を離れられない。

 後は酒を少量くわえて、これもおなじく、煮立てないように火を通しておく。
 昆布の「二番出汁」と「煮干と鰹節の出汁」は、適当に配合して「おでん」(12月16日記事)やいろいろな煮物に。
 味よく香りよく、摂りすぎになりやすい塩分ひかえめに、使って余すところがない。

 (ことしは、これでおひらき)
 どうぞ、よいお年を。
 
*写真、(上左)は昆布漁のあとの一家団欒、(下右)はグルタミンの風が吹く昆布干し場、いずれも函館市戸井町にて*