どこゆきカウントダウンー2020ー

2020年7月24日、東京オリンピック開会のファンファーレが鳴りわたるとき…には、《3.11》震災大津波からの復興を讃える高らかな大合唱が付いていてほしい。

カワウソの“肉球”とタッチ&握手

-No.0100-
★2013年12月30日(月曜日)
★《3.11》フクシマから → 1026日
★オリンピック東京まで → 2398日














*このブログをはじめて100日目*

 「こりっ」と、指先にぬくもりを伝えてきた。
 その肌ざわり、経験のない純粋さ。
 「癒される」って、ほんとは「このこと」だったんだ…ネ。

 「カワウソと指タッチ、握手してみませんか」
  かわいいお誘いだった。

 三浦半島京急油壺マリンパークで、12月25日の水曜日、クリスマスだというのに園内は思ったよりも静かで、海の向うには雪をいただいた富士がほほ笑んでいた。

 透明な飼育水槽の中には、コツメカワウソ。
 仲間から選ばれた2匹が、“タッチ&握手”のお相手をする。
 水槽の壁に小さな管穴が開いており、狭いところに手を突っ込んで(餌を)探る…カワウソの習性を利用しようという作戦だった。

 刻んだ小魚(ワカサギ)をエサに、管穴へ指を近づけると、黒褐色のビロードみたいに艶々の、カワウソの手が素早く伸びてきて、まさぐる。
 そのチャンスを逃さず、エサを与えながら指タッチ、うまくいくと握手もできる。
 小魚のエサは3切れ、つまりチャンスは3度きり。
 それだけなのだ、けれども…。
 小動物の手先とこちらの指先と、微妙なかけひきに集中しながら、どの顔もかがやいて…そして…ひかえめに小さな歓声をもらす。
 それだけのことだ、けれども…。

 じつは、このカワウソとの交流イベント、9月に来たときに見て(そのときはチョイと見ただけだったのに…)ハマってしまった、といっていい。
 カワウソの愛らしい“しぐさ”に、夢中になる人々の無邪気な“しぐさ”に。

 そのときは、予約申し込みが必要といわれた。
 いまも人気はあいかわらず、休日はいつもかぎられた参加人数いっぱいだという。

 その日は冬寒のウィークデー、年の瀬という時季もあって、入園するときに尋ねたら「きょうは、余裕がございます」ということだった。参加料お1人さま500円。
 領収のレジ伝票に「かわうそタッチ」とあった。

 時間になって集合した顔ぶれ、子連れ・孫連れはとうぜんとして、恋人同士ふう若い二人連れも2~3組、なかに混じってボクら爺っちゃ婆っちゃカップル。
 それぞれがタッチの前に、手指を消毒(これはカワウソちゃんに人間社会の害毒を移さないため)。
 ネコの肉球よりフニャッと硬めの“指タッチ&握手”に(そうネまぁせいぜいのところ)5分くらい。タッチ稼ぎをもくろんで、フェイントの空指を差し出してもみたが、カワウソちゃんの横目はしっかり、ガラス越しにエサの在り処を見据えている。
 ふと足もとに目をやれば、水掻きの膜めいっぱいに広げて踏ん張った立ち姿もいじらしく…。
 それぞれの“しぐさ”がまた、なんともいえず愛おしい。
 コツメカワウソの肉球の、間に潜んでいるはずの鋭い爪を探ってみたりもしたが、指にはふれない。女性の飼育員さんが「指の間に小っちゃな爪があるだけなので…」と説明してくれる。
 それも、なんと愛らしい。
 カワウソちゃんは、ぶじエサの小魚を口に運ぶと、顔を仰向かせて旨そうにむしゃむしゃと食べ、食べながらも目は休みなく次のエサを探し求める。
 こんなところも、かわいい。
 後もういちど消毒の手洗い(これはどちらかというとエサの魚臭をとるため)で終える。

 それだけ、なのだけれども…。
 ボクたち爺っちゃ婆っちゃが、その後たびたびカワウソの指の、あの肉球タッチ味を忘れえず、あきもせず物語っているのだった。

*写真構成は、京急油壺マリンパークの園内と“かわうそタッチ”のあれこれ模様*
*コツメ(小爪)カワウソは主に東南アジアに棲む小型種。食性は魚類・甲殻類・貝類など動物食とされているが、油壺マリンパークでは「迷い込む虫なども捕って食べている」という*
*ご存知かと思う、やや大型種の吾がニッポンカワウソの方は1979年以降、目撃されておらず、惜しくも2012年に絶滅種に指定された*